とりあえず帰って来ました。


あんまり病気の事とか、人の生死の事とか
ブログで見るのも、書くのも好きじゃないし
公開するか悩んだんだけど・・・


去年の9月に母が肺ガンだと言われて
わかった時には、もう外科的な治療が出来る状態じゃなくて
抗がん剤治療を続けて来ました。


医者にガンだと言われても、余命の話をされても
正直、全然実感なくて・・・


元気だし、今までと何も変わらないし・・・


知り合いに、ガンで3ヶ月もたないって医者に言われて
でも、2年以上たった今も元気に生きてる人も知ってたし・・・



抗がん剤を打ち始めて、ガン自体も大きくはなって無いみたいだったし
完治は無くても、このまま生きていられるんじゃ無いかと思った。


ただ抗がん剤の副作用で、白血球が減って合併症の可能性が高くなって
抗がん剤自体を、なかなか満足に打てなくなって来た矢先の事・・・



5月28日
朝、病院から電話が掛かって来て、麻痺の症状が出て
本人が不安がってるんで、早く来てもらえますか?って連絡が入った。


入院してる時は、だいたい毎日行ってて
前日もブロッサムに行く前に顔を見に行った。


普通に元気で、いつもと全く変わらない状態だったのに・・・




病院に着いて、看護婦さんに簡単に説明を受けて、病室に入ると
昨日までとは、全然違うオカンがいた。


話す事も、身体を自分で動かす事も出来ない
表情も無表情で、ただこっちを見てるだけ・・・


着いてすぐの時は、かろうじて指は動いたから
俺の手の平に何かを書こうとしてたけど・・・


書いては消し、書いては消しで・・・


「あとで聞くからエエわぁ」 って俺が言ったから
結局、あの時ナニを書こうとしたのか解らないまま



正直この時が、一番ショックだった・・・
ガンだと言われた時、余命を宣告された時、逝ってしまった時よりも


喋れない、動けない、無表情で、ただ目を開けてるだけのオカンを見た
この時のが・・・




看護婦さん達が居なくなって、二人だけの時に


「オカン、俺の事わかってるんか?」って笑いながら言ったら・・・



子供みたいに大きな口を開けてワンワン泣いてた。
それまで無表情だったのに・・・



俺の声を聞いて、言葉を理解して、ワンワン泣いてた。



俺もこの時、一番泣いたと思う。



時間が経つにつれて、麻痺の症状が酷くなってきて
呼吸までおかしくなり始めた・・・


このまま呼吸が止まっても、おかしくないって医者には言われたけど
オカンは頑張って生きた。


辛くて、痛くて、悔しくて、自分自身が情けなかったやろうけど
倒れた5月28日から7月2日まで・・・


一ヶ月以上も動けない、何も伝えられない、ただ目を開けて天井を見てるだけ


呼吸路を確保するために、口や鼻から筒状のモノを突っ込まれて
口の周りが傷ついて、かさぶたになって、裂けて血が出て・・・


痰や唾液が溜まるから、チューブを口や鼻から入れられて吸引されて・・・
目を見開いて、苦しそうな表情して・・・



見てるのが辛くて、可哀想で・・・


「もう頑張らんでも、いいねんで・・・」 って心の中では何回も言ってた。






7月2日
朝早くに眠るように逝った。


だんだん呼吸が弱くなって、回数も少なくなって・・・
でも怖くて心電図の機械を見る事が出来なくて・・・


一緒に泊まってくれてた親戚の人が、先生を呼んでくれて
先生が何か言って、その時初めて心電図に目をやると針が何もふれて無かった・・・



死んだその日は、通夜とか連絡とか準備とか、ホントに忙しくて
全然悲しむ暇がなかった。


オヤジは、ガキの頃から一緒に暮らして無いんで
俺が喪主をして、何もわからないまま、いろんな人に頭を下げてた。


告別式が終って、親戚の人達と別れて、オカンの御骨と一緒に家に帰って来て
今まで生きてきて、感じた事の無いような気持ちになった。
いろんな感情が、ぐちゃぐちゃに混ざったような気持ち・・・



人は絶対死ぬ
人っていうか、生きてるものは、生まれた瞬間から死に向かった進んでるわけだから
絶対に終わりは来るし、今こうしてる時でも、誰かが死んでる。


事件や事故に巻き込まれたり、もっと理不尽な理由で殺されたり・・・



オカンは肺ガンだったけど、死因は脳梗塞だった。
肺ガンの最後は苦しむらしいって聞いてたから・・・


脳梗塞で良かったやん・・・
苦しまなくて良かったやん・・・


孤独死する人もたくさん居てるのに
オカンは、最後のその時を看取ってもらえたやん・・・


仕事も休んで、家には1日しか帰らんかったから
同じ病室、同じ空間で、一ヶ月以上の間、1日24時間の殆どを一緒におれたやん・・・


たぶん健康に、この先10年生きてたとしても
こんなに同じ時間を一緒には過ごしてなかったやろう・・・?




こんな風に残された者は、いろいろ理由をつけて納得しようとするけど
やっぱり生きたかったよなぁ・・・



頑張って治療して、頑張って生きて、何も悪い事してないのに・・・
何で死ななアカンねん! って思う・・・


でも生きてるものは、必ず死ぬねん。


だから苦しまずに逝けたんやから・・・
一緒におれたんやから・・・
ちゃんと看取ってやれたんやから・・・


って納得しょうって思いと堂々巡り・・・(苦笑





今は一ヶ月近く経ったんで、悲しいっていうより
寂しいって気持ちに変わって来た。


最初の頃、思い出すのは病院での、しかも倒れてからの事が多かったけど
今は元気だった頃の事を、よく思い出す。



順番からいって、親は先に死ぬんだから・・・
みなさんも、親は生きてるうちに大切にしてあげて下さい。



ps
え〜っと この件に関してのメールは遠慮しますw
送る方も困るだろうし、俺もなんて返信して良いかに困るんでm(__)m